建築家紹介Architect

鈴木秀則

鈴木秀則

Hidenori Suzuki

尾張旭市生まれ。
大学で建築学を学び、
卒業後はアトリエ系設計事務所に勤め、30歳で独立し今日に至る。

家族の夢と要求するものを明確に表現する「ワクワク、ドキドキの提案力」

直観力の発想価値観の共有と具現化する努力

設計者においてよくあるケースは自分の価値観を押し付ける人と、あくまで施主の希望を成就させることに専念する、俗に言う、言い成りで設計を試みることであるが、どちらの場合も結果としていい住まいは創れないという。希望と押し付けのエゴの境界線において、双方の価値観をどう調和させていくか、住まいは生活の舞台であり、そこに住まう人の生活環境をどう快適に整えていくかが明確な目的である。
その為には施主自体の真剣さと、自我・信念・哲学という生き方の価値観が明確であることが必然的であり、様々な会話の中からそれを引き出し、共通の価値観をつくることが、設計者としてのコミュニケーション能力としてとても大事なことであるという。
そしてその中でそれぞれ具現化していくのが住宅設計であり、特に留意していることは、たくさんの希望要因の中から施主にとって本当に必要なものは何かを見極め、要素を絞り込んでいくことであり、それは引き算の能力であるという。又、三次元の空間を把握する能力が極めて重要であり、それは自らの得意とするところでもあり、直観的に発想することが多いという。 直観的とは論理的経験の蓄積であり、与えられた条件から、正しい結論が得られる為の考え方の道筋=因果関係を瞬時に具現化する能力である。 それが氏の哲学となっているようだ。

趣味は建築学建築と共に人生を歩む

愛知県尾張旭市で生まれ、現在もそこに住む。
そもそも建築に興味を持ったのは4、5歳からのことであり、これは親が建築業を営んでいたことに起因する。建築士とか設計士に興味を持ち、はっきりと自覚したのは小6の卒業文集で『僕の将来』として書いた時である。またその頃、プラモデルを作ることが好きで得意でもあったが、その設計図を見るのがとても楽しみであり、特に設計図の多いプラモデルを選ぶようになっていたと言う。
日常の身近な情報の中で常に建築と関わりあうような環境の中に育ち、何かを構築する遊びの中で、必然的に感性能力が芽生えた。
大学で建築学を学び、卒業後はアトリエ系設計事務所に勤め、30歳で独立し今日に至る。
人間の生きる目的は概念的に大きく3つに判別されるが、それは体験価値、創造価値、態度価値といわれる。建築設計というのは出来たものを見る感動体験と、それを自由な発想の中で組み立ててゆく創造価値の2つの目的が達成され、仕事としてこんなに面白いものはないという。
面白く、楽しく、感動的にこの仕事に関わっていくことが、仕事=趣味ということになってしまったと言う。「とにかくこの仕事が好きなんです。」という屈託のない笑顔が素晴らしい。

楽しく感動的に住まうことを楽しめる提案

ある時、施主からキッチンは要らないと要求された。
外出が多く、殆ど家で過ごすことが少ないし、あまり料理も好きではないという理由であった。しかし、住まいは、現状だけでなくこれから何十年も住まうものであることを考えると、状況・環境の変化により当然必要となること、又、折角つくる住まいが相変らずの外出の多さで有効に活用されないことは、自分の分身としての家が情けないと考え、是非とも新しい家では過ごす時間が楽しくなる様にと提案をした結果、完成後には奥様より、「今では家にいるのが嬉しい」と喜ばれ、もちろんキッチンも活用されているとのことであった。では楽しくなるような提案とは何か。
平成19年10月、神宮に新しく出展した住宅展示場にその一端が伺える。今まで見たことがない様な斬新な屋根型状、繊細な壁面のディテール、木のぬくもりを感じさせる軒裏の素材、LDKの大空間、吹き抜け全面ガラス、中2階構成の空間的意外性等々。
これからも、ディテールや情感にこだわり、精神的豊かさを提供したいという。

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