建築家紹介Architect

高橋誠二

高橋誠二

Seiji Takahashi

愛知県名古屋市生まれ
建築家を目指したきっかけは、高校1年の時に実家を建て直す事になり、絵が空間のスケールで立体になっていく事にワクワクした事。
地元名古屋の大学の建築学科で建築を学ぶが、当時はインターネットが無い時代なので、建築マップという書籍を購入し、全国の著名な建築をひたすら歩いて探しまわった経験は情報を自分の足で掴みにいくという意味で今でも貴重な財産だと思っている。

「建築とは希望である」

大学時代の恩師の言葉は今でも忘れられない。
学生が安易に発する言葉に対していつも本質を問い掛け、学びの場を与えていただいた恩師が卒業する私たちに向かって最後に問いかけた言葉は「建築とは何か?」恩師は言葉を続け
「小学校から大学まで学校というのは数学や物理、建築の専門的な事など様々な事をあなたたちに教えてくれる。だが、何故それらを学ぶのか?という肝心な事を誰も教えてくれない・・・建築とはビルでも建物でもない・・・建築とは希望である」と私たちに言葉を遺していきました。

その言葉の意味は卒業後、プロとして建築設計の仕事をするまでなかなか理解はできませんでしたが、今の私が感じる事は、建築とは設計者の彫刻作品ではなく、建築は必ず社会性、経済性の中でしか存在し得ないものであり、建築家としての責任は、その建築を建てたいと想うクライアントの夢や希望を受け止め想いをカタチにする事、そして、その建築を創る大工さんや職人に誇りや希望を与える事、完成された建築を訪れるお客さんやそこを人生の拠点とする住み手に希望を与え続ける事である。、そしてクライアントにとっても建築は希望でなければいけない。

「現状に満足せず常に追求し続ける事」

大学を卒業し、設計事務所に入社したが、信念を持たない設計に失望し3年で退社。
著名な建築家の門を叩き丁稚奉公。人生で二人目の恩師との出会いである。
毎日のように事務所に寝泊まりし、朝まで図面を描いたり模型を作ったり夢中になって設計をした。
当時2歳になる娘がいたが、それを許してくれた妻には今でも感謝である。
そこでは、著名な俳優の自邸や、店舗、オフィスビル、学校、工場など様々な設計を担当させてもらいどんな規模や難易度のものでも設計できる自信がつくようになった。
この時代に、当時鮮烈に自分の心に響いた言葉があります。
ある物件の施主との打合せにおいて、施主が自分に提案されてるデザインと師匠の過去の作品と比較して不満を感じたのか、「あなたは今のこのデザインで本当に満足しているのか?」と問いかけました。
それに対し、師匠はこう応えました。
「私は30年以上に渡り300以上設計してきたが、今まで自分のデザインに満足した事など一度もありません。
クリエイターが自分に満足した瞬間それはクリエイターとしての死を意味する。
常に追求し続ける事、・・・それが私の理念なんです」
予算も条件も異なる過去の作品と比較することは無意味なことであり、決められた条件の中で過去の自分に満足せず、常にお客様にとっての最良のデザインを追求し続ける事・・・これは今でも私の中の一番大切にしている言葉であります。

「より本質的に、より創造的に、より美しく」

デザインとは単にどのように見えるか、どのように感じるかということではありません。

デザインの本質は、物事を整理し、装飾をそぎ落とした上に浮かび上がってくる問題を解決し、
私たちの生活を、より本質的に、より創造的に、より美しくしてくれるものでなければなりません。

お客様と対話を重ね問題の本質は何か常に追求し続けること、それまでにない新しい考え方や工夫で価値の創造を追求し続けること、そして何より美しさを追及し続ける事・・・素材や色などは、人間に例えるなら皮膚や洋服のような表層的なものです。
しかし人間を人間たらしめる最小限の要素は、姿形を構成する骨格と、その人の生き方や思想の骨格です。
美しい骨格をもてば、高い洋服を着飾らなくても、普遍的でオンリーワンの美しさを得る事ができます。
美しい骨格とは、美しい空間、美しい技術、美しい思想・・・
お客様の中にしか無い答えをカタチにし続ける事が私の建築家としての使命と考えています。

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